対話の当事者のうち、話し手(私=ben)やその集団(私たち=biz)を1人称、聞き手(君=sen)やその集団(君たち=siz)を2人称と言います。
トルコ語では聞き手に敬意を払って丁寧に言うために、本来2人称の複数を指すsizを単数の意味(あなた)に用いることがあります。
sensizの使い分けは、話し相手との関係(親疎、上下、内外など)によります。一般に妻子や友人と話すときはsen、初対面の人物と話すときはsiz、初対面であっても相手が幼少の場合にはsenを用いるという区別がなされています。
トルコ語は三人称を示す代名詞をもたないので、指示詞のoがその代わりによく用いられます。トルコ語では文法カテゴリーとして1人称と2人称だけが認められ、3人称はないと考えられます。

参考
 ニューエクスプレストルコ語 p.26